写真展「空と海、そして大地」始まります

9月 6日 金曜日

 写真展「空と海、そして大地」と聞いて、どのような「写真」を思い浮かべられるでしょうか。
 愛媛の美しい海や茜空、段々畑に雲海など多様な自然の風景でしょうか?
 それとも「空と海」とくれば「空海」、弘法大師にかかわる四国遍路の風景でしょうか?

 この写真展ではどちらも大正解です。

 本写真展は、新常設展「密●空と海-内海清美展 和紙彫塑による『弘法大師空海』の世界」の内容をより深く理解していただくため、四国内の空海ゆかりの史跡、伝説地を紹介しています。
 また現在、西予市が日本ジオパークへの認定を目指している「四国西予ジオパーク構想」(大地の遺産)についても紹介します。
 5日には西予市職員の方とともに写真を列品しました。上甲信男氏による写真は西予市内の貴重で多様なジオ資源を丁寧に写し取っています。

 桜並木や棚田の田植え、宇和盆地の雪饅頭など、色鮮やかな季節を目にすることができます。

 「こんな場所あったんやねえ」
 「この場所はどこらへんかなあ」
 西予市民である当館職員も見知った風景、初めて見る景色を前に会話が弾みます。

 また四国内の空海ゆかりの史跡、伝説地の中には捨身嶽(香川県善通寺市)、大瀧嶽(徳島県阿南市)など、実際に赴くには大変な場所も写真によって目にすることができます。

 平成26年は弘法大師空海が四国八十八ヶ所霊場を開創して1200年目とされる年です。当館ではその記念展示として平成26年4~6月に空海ゆかりの寺院、博物館が所蔵する文化財の特別展「弘法大師空海展」を開催することとしており、本写真展はそのプレイベントとして開催されます。
 弘法大師空海は青年期に四国の空と海、そして大地を舞台として修行をし、「空海」と名乗ったといわれており、四国の大地や自然は空海と関わりが深いと言えます。
  また9月14日(土)からは文書展示室にてテーマ展「弘法大師空海の生涯」が同時開催、そして9月16日(月・祝)には講座「弘法大師空海と伊予国-古代伊予の仏教史-」も実施します。
 四国の自然と歴史、文化を理解する機会となれば幸いです。

写真展「空と海、そして大地」
日時:平成25年9月7日(土)~平成25年12月1日(日)
会場:歴史文化博物館 エントランスホール
入場無料
主催:愛媛県歴史文化博物館 西予市 四国ジオパーク推進協議会

講座「弘法大師空海と伊予国-古代伊予の仏教史-」
日時:平成25年9月16日(月・祝) 13:30~15:00(開場は13:00)
講師:大本敬久(愛媛県歴史文化博物館学芸員)
会場:愛媛県歴史文化博物館多目的ホール
会費:無料
申込:事前申し込み不要(当日先着150名)

平成25年度の博物館実習

8月 26日 月曜日

 8月20~25日の6日間、平成25年度の博物館実習を実施しました。実習の中身については、これまでにもいくつか紹介してきましたが、歴史・民俗・考古各分野で実際の資料を用いた整理や、歴史文化体験・ワークショップの運営補助等を、担当学芸員や施設管理スタッフの指導の下、体験していただきました。

 大学で触れる機会の少ない実物資料を用いた資料整理では、古文書や巻子との格闘、試行錯誤しながらの常設展示替え、黙して語らない民具や考古資料との接し方等、様々な体験をし、実習生にとっては有意義な研修となったのではないでしょうか。


 また、歴史文化体験やワークショップの運営補助では、しっかりと事前練習を行い、子ども達への対応もしっかりと出来ていたようで、来館者との交流を深めていました。


 こうした博物館の仕事を、実習生の方には意欲的に取り組んでいただきました。これからは、各自、大学に戻り、この実習の経験を活かしながら、さらに専門的な知識や技術を身に付けていただけたらと思います。

考古資料の整理実習

8月 24日 土曜日

 8月20日より始まった博物館実習も、明日1日を残すのみとなりました。緊張していた実習生も博物館の雰囲気にやっと慣れてきた頃だったのですが…。
 本日は、考古資料の整理実習2回目です。前回はPEG樹脂含浸装置によって保存処理を終えた遺跡出土の木製品について表面処理を行ってもらいましたが、今回は伊予郡砥部町にある水満田(みつまた)遺跡より出土した弥生時代の土器棺墓について、その資料の計測や状態等の記録観察を行ってもらいました。

 本遺跡は、昭和53年に一般国道33号線建設に伴って発掘調査が行われ、7基の土器棺墓が出土しています。実習作業は3人1組で行ってもらいましたが、器高が1mを越える大きな土器もあり、また、初めて土器を手にする実習生もいて、最初は土器を持ち運ぶだけでも悪戦苦闘。

 しかし、なんとか作業も無事に終え、資料の状態を把握することができました。今後、さらに詳細な調査を行い、今回の成果を展示に反映できればと考えています。
 それでは実習生の皆さん、お疲れ様でした。

博物館実習で展示替え

8月 22日 木曜日

 8月20日より博物館実習が始まりました。
 博物館の概要や考古・歴史・民俗資料の整理実習、ワークショップの補助など密度の濃い6日間となります。
 21日の午後は民俗資料の整理実習でしたので、展示室の展示替えを一緒に行いました。

 資料の使い方などを実際体験しながら、夏の食事模型を秋の食事模型に替え、蚊帳などの夏の資料を撤去しました。
 その後、実習生には二つのグループに分かれてもらい、それぞれ資料と写真パネルの列品を行ってもらいました。
 導線や照明の当たり方、資料のどこを見てもらいたいかなどを考えながらグループで話し合います。

 途中、お客様にも意見をお聞きしたりして、いろいろな視点から展示を行うことができました。
 ほんの1時間前に初めて見た資料ですが、少しでもわかりやすく見やすい展示になるよう知恵を絞り試行錯誤する実習生たちでした。

 実習生が取り組んだ展示は民俗展示室2で見ることができます。
 ご来館の際にはぜひお見逃しなく!

入館200万人目!

8月 10日 土曜日

本日(8月10日)、れきはくの入館者が、平成6年11月のオープン以来200万人を達成しました。
記念すべき200万人目のお客様をお出迎えするため、セレモニー会場では、当館のキャラクターであるはに坊と、ただ今開催中の特別展「昭和ヒーロー図鑑」の中からタイガーマスクの両名が、今か今かとその到着を待っていました。

200万人目の入館者を待つはに坊とタイガーマスク

そこに記念すべき200万人目の入館者が到着しました。その人は、西予市在住の未来ちゃん。これからその記念セレモニーが始まるわけですが、突然のことでびっくりしたのか少々緊張しているようでした。ちなみに隣にいるのは、弟の旬くんです。

200万人目の入館者

会場では館長から認定証と花束が、イヨテツケーターサービス社長から記念品が贈られました。

館長から認定証が贈られました。

その後、くす玉を割りました。

くす玉割り

テレビ局や新聞社の取材も受け、ずっと緊張が続いていたようでしたが、最後は笑顔でいい思い出となったようでした。

はに坊、タイガーマスクと一緒に

民俗展示室3「四国遍路」展示替えのお知らせ

8月 1日 木曜日

民俗展示室3「四国遍路」は、7月30日に一部資料の展示替えを行いました。

 今回新たに次の資料が常設展示に加わりました。

・弘法大師と衛門三の刷り物 

・弘法大師御事蹟壱千百年忌記念絵葉書、大正4(1915)年、個人蔵

・四国八十八箇所順拝略図、江戸時代

・四国第三拾八番土佐国足摺山図、明治時代

・遍路宿宿帳、昭和7~18(1932~43)年

 そのうち、「四国第三拾八番土佐国足摺山図」は、明治期に作成された四国霊場第38番札所足摺山金剛福寺の絵図です。絵図には略縁起を紹介し、境内の伽藍と足摺岬周辺の名所旧跡が描かれています。太平洋の沖合には日の丸をつけた洋船、帆船の姿も見られ、当時の様子を伝えています。

 また、「遍路宿宿帳」は、愛媛県上浮穴郡川瀬村大字下畑野川(現久万高原町)にあった旧遍路宿・大黒屋において、昭和7~同18年にかけて作成された遍路の宿帳です。畑野川集落は地理的に第44番札所大宝寺と第45番岩屋寺の中間地点にあたり、歩き遍路が順打ちして岩屋寺に向かう際、往復とも同じ道を通るため、宿に荷物を預けて巡拝する「打戻り」の拠点でした。そのため最盛期には遍路宿が10数軒あったそうです。この遍路宿宿帳に記録された遍路の数量的なデータは、昭和10年代の四国遍路の動向を知る上でとても貴重な資料といえます。常設展示室にある四国遍路の資料もぜひご覧ください。

弘法大師御事蹟壱千百年忌記念絵葉書

四国第三拾八番土佐国足摺山図ほか

遍路宿宿帳

昭和ヒーロー図鑑の設営が始まりました

7月 5日 金曜日

7月9日(火)に開幕する特別展「昭和ヒーロー図鑑」の設営作業が始まりました。

展示室の入口は、鉄人28号の絵本とともににっこり笑う子どもなど、ヒーローに夢中だった昭和30年代の子どもたちのスナップ写真で彩られます。

こちらは展示室内に組み上げられたお店屋さんのセット。電球の電源をとる作業をしています。どのようなお店屋さんができあがるのか、楽しみです。

展示会場ができあがったので、いよいよ資料の展示が始まります。

西予市三瓶の野鍛冶資料

6月 28日 金曜日

先日、れきはくボランティア・スタッフの方とともに、館蔵資料の西予市三瓶の野鍛冶資料の整理を行いました。

野鍛冶とは、農具、漁具、包丁などの地域生活に密接な鉄製道具を手がける鍛冶屋のことをいいます。かつて「村の鍛冶屋」として、地域生活を支えていた野鍛冶でしたが、農耕具の機械化、大手メーカーによる大量生産時代の到来によって、鍬(くわ)、鋤(すき)などの農具の生産・修理の需要が急減し、全国的に各地の野鍛冶は相次いで廃業していきました。

今回、整理した西予市三瓶の野鍛冶資料は、旧三瓶町朝立で平成10年頃まで操業されていた石本鍛造で作られた、愛媛県内外の鍬先の雛形(見本)です。

愛媛県内外の鍬先の雛形

石本鍛造の創業は明治期とされ、昔は大八車や馬車の車輪(鉄輪)を専門に作る車鍛冶でした。戦後、車の修理や新造の注文が減ったため、鍬、鋤などの農具を手がける野鍛冶に転身。昭和42年頃、甘藷、麦の栽培が主であった畑作が蜜柑栽培へと移行するにつれ、鍬の新調や修理の仕事が減り、昭和45年頃から、今治の金物問屋の依頼で、愛媛県内外の鍬先を専門に作りました。

鍬先とは、鍬の頭部に取り付ける鉄製の部分のことです。鍬先は地域によって形や呼称が千差万別です。それは土壌、作物の品種、使用者などの違いから、様々な種類の鍬先が作られました。形態を大別すると、三つ鍬、四つ鍬などの鍬先が又状に分かれている「又もの」と、鍬先が平べったい「平もの」があります。

今回、整理した資料は、実際に各地の鍬先を製作する際の見本(雛形)として作られ、大切に保管されてきたものです。

愛媛県内で使用されていたものとして、地元(三瓶)窓鍬、温泉郡四ツ鍬、周桑郡三ツ鍬、周桑平鍬、周桑ビワ鍬、周桑トギリ鍬、越智ごぼう掘り、越智型窓付き草削り、南予型おたふく鍬、柿木皮はぎ、玉ねぎ植がんぎ切り、八本レーキ、ナタ鍬などがありました。さらに、県外の鍬先には、香川県高松三ツ鍬、徳島県鳴門四ツ鍬、島根県平鍬、島根型化肩上げ四ツ鍬、広島島型三ツ鍬、広島ホソ口虫掘り、山口県山口型三ツ鍬、新潟県ヒツ大三ツ鍬などがありました。県内のみならず、四国地方や中国地方、遠い新潟県の鍬先までもが、かつて西予市三瓶町で作られていた事実には驚愕します。

越智型窓付き草削り(左)と南予型おたふく鍬(右)

新潟県ヒツ大三ツ鍬

実際、資料整理にあたっては、鍬先の使用痕跡や現状を損なわないように注意しながら、鍬先の表面についた埃や錆を布やブラシで軽く払い落とし、クリーニングが終わったものから、資料名称を記した整理用のラベルを括り付けました。鍬先の中には、商品銘や鍛造所名が刻まれているものもありました。

クリーニング作業

クリーニング、ラベリングが終わった資料

整理にあたった参加者はみんな、鍬先の種類の多さ、形状や呼称の違いに驚き、その意味や使い方などについていろいろ想像しながら、楽しく作業を終えました。西予市三瓶町の石本鍛造で作られた鍬先の製作見本(雛形)は、なくなりつつある野鍛冶資料として、また、農具研究資料としても貴重といえます。

ハーモニカたんす

5月 30日 木曜日

 特別展「民具王国びっくりミステリーツアー」で一二を争う人気の資料が「ハーモニカたんす」です。
 このたんすはただのたんすではありません。引出しを開け閉めすると「ファ~」とハーモニカのような音が鳴るので「ハーモニカたんす」と呼ばれています。空気が出入りすると音が鳴る仕組みになっています。ハーモニカは「息を吸う/吐く」で音が違うように、ハーモニカたんすも一つの引出しを「引く/押す」で音が変わります。音が出るのは、防犯の目的のためのようです。

 このたんすは松山市の一矢タンス店(現在のイチヤ家具店)が製作したもので、扉の内側にその銘が残っています。
 先日、このイチヤ家具店の一矢さんと奥様がご来館し、ハーモニカたんすについていろいろとお話ししてくださいました。
 たんすを運ぶために棒を通す「棒通し」や鍵の部分「鍵座」、真鍮製のカン(金へんに丸)などたんすの部分名称も丁寧に教えていただきました。
 また、最下部の左の引き出しを引き抜くと非常ベルのような音が鳴ります。丸い突起部が押されると鳴るものであり、もう少し新しいたんすの場合、バネのようになっているそうです。

 ハーモニカたんすは、普通のたんすと比べて高価であるとか時間がかかるというわけではありませんが、空気がもれないしっかりしたたんすでないとできないそうです。それをお客さんに説明するために、引き出しを上下逆にしても入れ、精密な作りだということをお見せしたりもしたそうです。

 このような「間箪笥」(けんだんす 幅180cm)は20年前くらいから作っておらず、今では四尺箪笥(よんしゃくだんす 120㎝)が主流となっているそうです。きものが日常的だった時代から洋服の時代になったことや、引っ越しや住宅などライフスタイルの変化が、たんすの変遷から読み取れる、大変面白いお話をお聞きすることができました。

 「民具王国びっくりミステリーツアー」では、ハーモニカたんすの音色(ねいろ)をはじめ、スゲミノの肌触りや昔の教科書の内容など、さまざまな体験をしていただけるコーナーがございます。
 おすすめの体験型展示解説会「民具王国ミステリーガイドツアー」は展示期間中以下の日程で実施しております。

 毎週土曜日 午後1時受付開始
         午後1時半~(所要時間 1時間程度)
 先着20名
 特別展観覧券が必要です

 次回は6月1日の土曜日、皆様をお待ちしています。

昔のあかり体験

5月 15日 水曜日

 特別展「民具王国びっくりミステリーツアー」では、楽しい関連イベントがあります。その一つ「昔のあかり体験」が12日に開催されました。
 まずは参加者の皆さんと展示室へ。
 展示室の七つの謎(クイズ)の一つである「家の中で使う明りの道具」と「家の外で使う明りの道具」をグループ分けしてもらいました。
 
 

 なんと参加者の皆さん全員正解!(正解は展示室でお確かめください。)
 その後、蚊帳(かや)の前で、がんとう提灯(ちょうちん)の仕組みや行灯(あんどん)を見ていただいた後、トラックヤードへ移動しました。

 博物館の展示室では飲食はご遠慮いただいていますが、火気ももちろん厳禁です。
 今回の体験では実際に火を使いますので、トラックヤードに移動して体験を行いました。

 和ろうそくと洋ろうそくの炎を比べたり、油について説明を受けたあと、実際に提灯に火をともし、歩いてみました。
 トラックヤードの利点はもう一つ、電気を消すと真っ暗になるのです。

 真っ暗な中、提灯を手に歩く参加者のみなさんです。
 前の一方向を照らす今の懐中電灯と違って、四方八方にぼんやりと光を放っている様子がお分かりでしょうか。
 最後は火打石の体験です。みなさん上手に火花を散らすことができました。

 火は明るく照らし、熱を与えてくれるとともに、扱いを間違うとけがをしたり火事へとつながる恐ろしいものでもあります。昔の人々も、火の扱いには注意をしたことが明りの道具の構造からもわかります。
 今の照明道具や暖房道具への移り変わりについて家族で話してみるのも面白いかもしれませんね。

 「民具王国びっくりミステリーツアー」の楽しい関連イベント、次回は「昔の香り体験~小学生のはじめて香道~」です。
 香水や柔軟剤など、生活をとりまく「香り」ですが、昔の人はどのように香りを楽しんでいたのでしょうか?
 この講座はタイトル通り、小学生の子どもさんを対象にしていますが、保護者の方やそれ以外の方もぜひご一緒においでください。会場の後ろに椅子を用意しますので、同じ空間で香りを体験いただけます。

昔の香り体験~小学生のはじめて香道~
日時:  6月9日(日)13:30~15:00
講師:  橋本典子氏(香十)
定員:  20名
材料費: 200円

*事前申し込みが必要です
*住所、氏名、年齢、電話番号を記入して5月26日(日)必着ではがきまたはファックスでお申込みください。ただし応募者多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。
 あて先 〒797-8511 愛媛県歴史文化博物館「昔の香り体験」係

 お申込みをお待ちしております。