ミノ作り

12月 1日 土曜日

博物館には昔の道具を多く収蔵・展示していますが、後世に伝えていくため、大切に保存することも大事な役割の一つです。

 しかし、民具は生活の中で使われていた道具でもあり、民具の大切さ、面白さを伝えるために体験の機会も少しずつ増やしていきたいとも考えています。

 そこで、昔の民具を現在でも作ることの出来る方がいれば、お話しを伺いに行くこともあります。

 

 例えば、西条市の大保木公民館では、長年にわたりミノ作りの講座が行われています。先日、ミノ作り講座の講師でもある伊藤幸さんにお話しを伺うことができました。

  

  伊藤さんが作られるミノはワラではなくスゲでできています。刈り取ったスゲを二日間水に浸けたあと、ワラツチで打ち、さらに石で打ち、スゲを編む下準備をします。

 ツクと呼ばれる木製の台とイシを使って編んでいく伊藤さん。

 お話ししながらも手は休むことはなく、みるみるうちにミノが形作られていきます。

 今回は、日よけに使うセミノと雨よけに使うミノについて、作り方や使い方などお話しを聞くことができました。

 セミノは袖の部分がなく、草引きなどの農作業の時に日よけとして使いました。

 

ミノは雨よけとして使い、使い終わったら水を切って日の当たるところに干しておくと長く使えたとのことです。

  ミノは一見しただけでも、手の込んだものだということはわかりますが、伊藤さんのお話しを聞いてあらためて見直すと、製作への苦労や工夫、使った人たちの生活が伺えて、さらに魅力が増しました。

 資料だけでなく、それにまつわるお話を記録し、後世へ伝えることも大切な仕事であるという当たり前のことを再確認した1日でした。

「見のがせません!裂織りの製作実演」

11月 24日 土曜日

博物館の展示をいつ見にいきましょうか?

「せっかく行くのだったら」と選んでいただくのが、講座やイベントがある日です。

「佐田岬半島と西日本の裂織」展でも多くのイベントを開催いたしましたが、本日と明日行われる「佐田岬裂織り保存会による裂織り製作実演」にあわせて、ご来館頂いた方も多く見られました。

裂織りの里である佐田岬、伊方町からももちろん、遠くは高知や広島からも来ていただきました。

人数やお時間に余裕があれば、織る体験もしていただけます。

 

「実際織る体験をしてみると違いますねえ」

とおっしゃったお客様の言葉が印象的でした。

展示してある裂織の資料も違ってみえるかもしれません。

本当に見のがせない裂織りの製作実演は、明日25日もございます。

ご来館をお待ちしております。

日時:11月25日(日)10:00から12:00 13:00から16:30

   佐田岬裂織り保存会による裂織りの製作実演(企画展示室)

開館記念日

11月 11日 日曜日

平成24年11月11日、18回目の開館記念日イベントが開催されました。
当日は博物館の展示を無料開放するとともに、たくさんのイベントが行われ、歴博の館内はどこも大賑わい。
エントランスで2ヶ月に1度実施している「綿から糸づくり」体験も、この日は特別に、民俗展示室2の「里の民家」で実施しました。

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綿から種をとる体験の様子。

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糸づくりの体験の様子。真剣な顔でとりくんでいます。

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機織り体験は、特別展にあわせて裂織バージョンです。

昭和10年代の周桑平野の農家を復元した「里の民家」を舞台として子どもたちが「綿から糸づくり」を体験することで、まるで当時にタイムスリップしたかのような感覚で楽しんでいただけたのではないでしょうか。

図録と目録ができました

11月 5日 月曜日

特別展「佐田岬半島と西日本の裂織(さきおり)」 とテーマ展「村上節太郎がとらえた佐田岬」の開催に合わせて、図録と目録ができあがりました。内容は以下のとおりです。

佐田岬半島と西日本の裂織 2012年10月6日発行A4版168頁
 目次
 日本裂織列島/日本海・丹後地方の裂織/四国・佐田岬半島の裂織
 論考・資料
 井之本泰「木綿再生-丹後地方の裂き織り-」
 深堀習「21世紀の暮らしに拓く裂織」
 今村賢司「愛媛県佐田岬半島と西日本の裂織」
 付録 佐田岬半島の裂織に関する聞き書き
  図版目録
  主要参考文献

第21集 村上節太郎写真資料目録(白黒ブローニー版/愛媛県西宇和地域) 2012年10月発行A4版112頁
愛媛大学名誉教授で、地理学者の村上節太郎氏(1909~1995)が、ブローニー版のカメラを使って、昭和11~32年までの愛媛県西宇和地域(八幡浜市、伊方町、西予市三瓶町)撮影した写真109点を収録。

図録、目録は当館のミュージアムショップで販売のほか、郵送による取り寄せも可能です。詳しくは下記のページを御覧ください。
http://www.i-rekihaku.jp/friend/sale.html

民俗展示室3「四国遍路」展示替えのお知らせ

11月 3日 土曜日

民俗展示室3「四国遍路」は、11月2日に一部資料の展示替えを行いました。

今回は新たに「遍路道と遍路道標」の写真パネルによる展示コーナーを設けました。

愛媛の主なへんろ道の風景や、お遍路さんが道に迷わないようにと遍路道沿いに建てられた、愛媛の遍路道標を紹介します。

愛媛県内の遍路道標(標石)の形態は、自然石型、地蔵型、角柱型、円柱型、常夜灯型など、さまざまなものが見られます。

道標はどれ一つとして同じものはなく、道案内以外の多様な情報も刻まれ、設立者(願主、施主、世話人、石工)の思いや願いが込められています。札所と札所を結ぶ遍路道、現地で無言のお接待というべき道案内をしている遍路道標は、四国遍路を支えてきた文化遺産といえます。

「遍路道と遍路道標」の展示コーナー

裂織の里・佐田岬へ出かけよう!

11月 2日 金曜日

 

愛媛県歴史文化博物館の秋の特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」展では、関連講座も盛りだくさんです。

先日27日には、愛媛の裂織の里である佐田岬半島へのバスツアーを開催しました。

今回は豪華なダブル講師をお招きしたのですが、まずは伊方町立町見郷土館学芸員の高嶋賢二さんが、裂織を着ての登場です。

高嶋講師による車窓からの案内を聞いているうちに、町見郷土館に到着です。こちらに展示されている裂織の仕事着は、試着もできますので、裂織を着た姿の記念写真を撮る参加者もおられました。

 また、町見郷土館では平成25年2月3日(日)まで「海でつながる畑-佐田岬の地形と農業-」展を開催中です。夏柑収穫の様子など、古い写真や田舟などの民具など、皆さん熱心に見られていました。

 町見郷土館をあとにして早めの昼食の予定でしたが、参加者の皆さんの迅速な行動のおかげで、少し時間に余裕ができました。そこで、もう一ヶ所「二見くるりん風の丘パークに行くことに。巨大な風車の下、高嶋講師の話を聞きながら絶景を満喫しました。

頂いた伊方町の文化財マップを早速広げて、熱心に話し合う参加者も見られました。

亀ヶ池温泉でごちそうを頂いた後は、大佐田地区の船蔵(ふなぐら)を歩いて見学しました。

 船蔵は木造二階建てで、一棟に二艘の船を収納し二軒でシェアしていたとの高嶋講師のお話しでしたが、見た目は二階建てに見えない船蔵もあり、参加者の方は不思議そうにぐるりを観察されていました。

 大佐田地区を散策しながら、そのまま三崎オリコの里「コットン」へ移動します。ここで本日二人目の講師、佐田岬裂織保存会代表の小林文夫さんの登場です。

 「裂織は、はじめは固いけれど、慣れてくるとなじんできます。私の分身みたいなものです。」

 と語る小林さんの言葉が印象的でした。

オリコの里は、旧大佐田小学校を活用しており、こちらには昔の民具をおさめた資料室もあります。小林さんによる裂織の解説のあと、資料室の見学をするグループと、裂織の体験をするグループに分かれました。

裂織の体験では、自分の選んだ裂糸で織っていただくのですが、あっという間に時間が過ぎたようです。

「展示室の中ではわかったような感じになりますが、今回のツアーで昨日までの佐田岬の印象がかわるとうれしいです」

ツアーの終わりに高嶋講師が言われた言葉です。

「佐田岬半島と西日本の裂織」展では、裂織の魅力、佐田岬半島の魅力を伝えるべく、力の入った展示になりましたが、それでもやはり、現地でなければ伝わらないこと、感じられないことがあるのも事実です。

そのためにこのようなバスツアーや講座などが一助となればという思いから企画しております。

また、今回お世話になりました佐田岬裂織り保存会の皆様には下記の期間、当館企画展示室での製作実演も予定しています。貴重な機会ですのでぜひご来館下さい。

日時:11月24日(土)・25日(日)10:00から12:00 13:00から16:30

   佐田岬裂織り保存会による裂織りの製作実演(企画展示室)

共催展「戦後松山を記録する」 、開幕

11月 1日 木曜日

昨日、愛媛県生涯学習センターに、共催展「戦後松山を記録する―山内一郎パノラマ写真―」の展示にうかがいました。

この共催展は当館の夏のテーマ展が巡回するもので、愛媛県生涯学習課が行っている「『えひめの記憶』をみる・はなす・きく」 事業の一環として今回開催されます。内容は昭和20年代に山内一郎氏が撮影したパノラマ写真を通じて、戦後復興期の松山の街並みを紹介するものになります。現況写真もあわせて展示しているので、松山のなじみの場所の移り変わりがわかります。

会期は11月20日(火)まで。場所は愛媛県生涯学習センター2階展示室。お近くの方はぜひ足をお運びください。

愛媛県生涯学習センター http://www.i-manabi.jp/index.html

特別展関連講座「木綿再生-丹後の裂き織り-」開催のお知らせ

10月 17日 水曜日

特別展関連講座

日時:10月21日(日)13時30分~15時

講座名:「木綿再生-丹後の裂き織り-」

講師:井之本泰氏(元京都府立丹後郷土資料館資料課長)

※受講料は無料です。当日参加できます。

現在開催中の特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」では、愛媛県佐田岬半島をはじめ、西日本を中心とした日本各地のめずらしい裂織を紹介しています。なかでも、平成22年に国の重要有形民俗文化財に指定された「丹後の紡織用具及び製品」の中から、京都府丹後地方の裂織(20点)を特別に公開します。丹後の宮津の廻船問屋に伝わったサキオリミチユキなど、日本海の裂織文化を物語る貴重な資料といえます。 

関連講座「木綿再生-丹後の裂き織り-」では、長年、京都府立丹後郷土資料館の学芸員として、丹後地方の裂織をはじめとする紡織関係資料の収集、調査・研究に携わってこられた井之本先生に、丹後地方の裂織の魅力や特徴をわかりやすく解説していただきます。木綿と裂織との出会いやヒストリー、裂織の仕事着に込められたエピソード、裂織への人々の想いなど、大変興味深いお話がうかがえるまたとない機会です。

特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」のご観覧とあわせて、関連講座「木綿再生-丹後の裂き織り-」を受講しませんか。

サキオリミチユキ(京都府立丹後郷土資料館蔵)

サックリ(京都府立丹後郷土資料館蔵)

秋の特別展オープンしました

10月 6日 土曜日

 愛媛県歴史文化博物館の秋の特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」展が本日10月6日(土)から12月2日(日)まで開催されます。

 古木綿などを裂き、横糸として織り上げた裂織は、丈夫で暖かく、水にも強いことから仕事着として人々の生活を支えてきました。

 厳しい労働に寄り添ってきた裂織の衣服には、布を大切にする先人の心が込められており、現代に生きる私達にも大切なメッセージを投げかけています。

 今回の展示では、当館の佐田岬半島の裂織コレクションとあわせて、青森、新潟、島根、広島、鹿児島と日本各地の様々な裂織を紹介しております。

 大変貴重なこの機会、ぜひ歴博に足を運んでいただければと思います。

また、同時開催として、常設展示の文書展示室において「村上節太郎がとらえた佐田岬」が始まります。

 裂織の里である、佐田岬半島の風景や人々の生活を記録した貴重な写真を紹介しております。愛媛大学の教授であり地理学者として知られている村上節太郎氏が撮影した佐田岬を、94枚の写真パネルでご覧いただけます。展示室では現況写真も22枚展示しており、あわせて目にすることでその移り変わりも感じていただけます。

 「村上節太郎がとらえた佐田岬」展は、特別展と同じく12月2日(日)まで開催しており、常設展示観覧券でご覧いただけます。

 

高機(たかばた)を組み立てる

10月 5日 金曜日

 愛媛県歴史文化博物館の秋の特別展、「佐田岬半島と西日本の裂織」展では、会期中、佐田岬裂織り保存会のご協力により、裂織りの製作実演も行われます。

 先日は、佐田岬裂織り保存会のメンバーの方が、実演用の高織(たかばた)を持ってきてくださいました。

「大きな高織がトラックに乗ってくるのかな~」

とのんきに構えていたのですが、各部品に解体されてコンパクトに運ばれてきました。

 企画展示室に運び込まれ、メンバーの方が手早く組み立てていかれます。

 

 

足下の踏木(ふみぎ)の部分です。

少し角度を調整すると、すーっと部品が入っていきます。

組みあがりましたら、次はタテ糸です。

これはタテ糸が巻かれた千切(ちきり)という部分です。

筬(おさ)をはめたところです。

 高機を組み立てた後、タテ糸の張りなどを丁寧に調整します。

 そして当館職員も裂織りの織り方を教えていただきました。

 はじめはおそるおそるでぎこちなかった手つきも、段々慣れてくるから面白いものです。あわせて、部品の役割や意味なども教えていただくことができました。

 この高機は期間中いつでもご覧いただくことができますが、11月には保存会のメンバーの方による裂織りの製作実演もございます。

  日時 11月24日(土)・25日(日)

     10:00~12:00 13:00~16:30

     佐田岬裂織り保存会による製作実演

*企画展観覧券が必要です

 

実際に製作されている方ならではの貴重なお話しもうかがうことができるかもしれません。 「織り」の仕組みを体感していただく貴重な機会ですので、ぜひご来館ください。

 また、今回の特別展は、関連講座も充実しております。

 まずは開幕してすぐ、展示担当学芸員による「佐田岬半島と西日本の裂織」をテーマにした講座がございます。

  日時 10月8日(月・祝) 13:30~15:00

     今村 賢司(当館学芸員)「佐田岬半島と西日本の裂織」

  また、京都府立丹後郷土資料館で資料課長をつとめられ、裂き織りの研究者である井之本泰氏による講座も控えております。

 日時 10月21日(日) 13:30~15:00

    井之本 泰氏(元京都府立丹後郷土資料館資料課長)

    「木綿再生-丹後の裂き織り-」

 特別展とあわせて、参加頂ければと思います。